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屋内盤用クーラー

屋内盤用クーラー

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技術資料

盤用クーラー能力評価コンプレッサ式 屋内盤用クーラー 冷凍サイクルフロンについて

盤用クーラー能力評価

TECTA(盤用熱関連機器工業会)技術資料

盤用熱関連機器工業会発行「技術資料 第007号-2007冷凍サイクル式盤用クーラの冷却能力評価試験方法」より
(2007年4月17日改正)

定格試験条件

以下の表に規定した試験条件を、定格条件とする。

項目 定格試験条件
盤内側吸込 空気温度(℃)  乾球温度 35
盤内側吸込 空気温度(℃) 湿球温度 ※ 1 24
盤外側吸込空気(℃)  乾球温度 35
試験周波数(Hz) 定格周波数 ※ 2
試験電圧(V) 定格電圧 ※ 3
  1. 二重箱式熱量計試験方法においては、湿球温度は特に規定しない。
  2. 二重定格周波数をもつ機器は、各々の周波数で試験する。
  3. 二重定格電圧をもつ機器は、両方の電圧で試験するか、もし一つの定格値だけを表示するのであれば、二つの電圧のうち低い方の電圧で試験を行う。

試験時間

上記表に示す試験条件に達してから、測定温度の変動幅が1K以下の安定時間を1時間以上とり、その後10分間隔で3回測定し、その平均とする。

測定計器および精度

測定計器およびその精度は以下の表による。

測定計器およびその精度
測定計器 精度
棒状温度計 ± 0.5K
白金測温抵抗体 B 級
熱電対 0.75 級(T タイプ、K タイプ)
電圧計・電流計・電力計 0.5 級
記録計 ±(0.05% of rdg + 0.5℃)
風速計
±(指示値の5%+ 0.1m/s)
差圧計 ± 2%

試験方法(二重箱式熱量計試験方法)

弊社が採用している二重箱式熱量計試験方法は、盤用クーラが実際に使用される状態に近い方法で能力を測定するもので、得られた能力値は、より現実的な値であると言える。弊社の測定装置を図1 に示す。

熱対策機器 屋内盤用クーラー「クールキャビ」能力測定基準箱図

  基準箱①(小型用) 基準箱②(大型用) 基準箱③(電子冷却式用)
外寸法 W860 × H1560 × D860 W1000 × H1700 × D1000 W710×H900×D590
内寸法 W800 × H1500 × D800 W950 × H1650 × D950 W510×H700×D445
箱材質 塗装鉄板 t=2.3mm 塗装鉄板 t=2.3mm 塗装鉄板 t=2.3mm
断熱材 グラスウール イソシアヌレート 発泡ウレタン
ヒーター容量 3000W 5000W 1000W
  1. 35℃ 40% RHの環境槽内に能力測定用基準箱を設置する。
  2. 断熱された能力測定用基準箱に能力測定するクーラを取付け、定格電源で運転する。
  3. 盤内側吸気口および盤外側吸気口の風が流れている部分で、吸気口端面より10mm以下の位置の2~4点に熱電対等の温度センサを取付け温度測定する。
  4. 基準箱内の数箇所の温度を測定し、ショートサーキットしていないことを確認する。ショートサーキットや温度分布のばらつきが見られる場合には、攪拌ファンを設置して基準箱内の温度を均一に安定させる。
  5. 盤内側吸気口温度の平均と盤外側吸気口温度の平均が同じ(35℃)になるように、内部ヒータの電源電圧可変により発熱量を調節する。盤内側と盤外側で温度条件を変えて測定する場合も同様に、温度が安定するように内部ヒータの電源電圧可変により発熱量を調節する。
  6. 各部測定温度が定常状態(1時間に1K以下の変化で安定している状態)で、且つ盤内側にドレン水が発生しない状態になった時のヒータの消費電力P(=発熱量)を測定する。

※ ドレン水が発生しない状態とは、密閉された基準箱内の空気が除湿されて乾燥空気になっていることを差し、算出された能力は温度変化に必要とされる顕熱能力のみとなるため、機種選定時には温度および発熱量のみで計算する事ができる。

冷却能力の算出方法

冷却能力は次の式によって算出する。

  • Q = P + PI
  • Q : 盤用クーラーの冷却能力(W)
  • P : 基準箱への入力の合計(W) 
    ※ヒータの発熱量と盤内側攪拌ファン発熱量の和
  • PI : 基準箱の床、壁、天井を通しての熱侵入の和(W) 
    ※ 盤内側と盤外側の温度が同じ場合には、床、壁、天井を通しての熱の移動はないためPI は0 となり、盤内側と盤外側の温度が違う場合にのみ計算に加える。

能力参考値

現実の使用条件下における冷却能力評価の参考のため、定格冷却能力以外の温度条件(盤内温度:複数点/盤外温度:複数点)で温度飽和した時の盤用クーラの能力を測定し、冷却性能特性線図を作成するものとする。(図2 参照)

熱対策機器 屋内盤用クーラー「クールキャビ」冷却性能特性線図

その他の試験方法

「室内側空気エンタルピー試験方法」

室内側空気エンタルピー試験方法は、JIS B8615-1 に基づくものである。代表的な測定装置を下図に示す。

熱対策機器 屋内盤用クーラー「クールキャビ」室内側空気エンタルピー試験方法

熱対策機器 屋内盤用クーラー「クールキャビ」風量測定装置

  1. 乾球温度35℃、湿球温度24℃の試験室内に能力測定するクーラを設置し、定格電源で運転する。
  2. 盤内側吹出空気と試験室内空気(盤内側吸込空気)の乾球温度と湿球温度を測定する。
  3. 測定した乾球温度と湿球温度をもとに、各エンタルピーを求める。
  4. 盤内側吹出口に風量測定装置を設置し風量を測定する。

※ 風量測定装置は、盤用クーラの盤内側空気循環の風量や湿球温度、乾球温度に悪影響を与えないものとなっている。

冷却能力の算出方法

  • Q = qmi(ha1 - ha2)/ V'n(1 + Wn)
  • Q :盤用クーラの冷却能力(W)
  • qmi :測定位置での風量(m3/s)
  • ha1 :盤内側吸込空気のエンタルピー(J/kg)
  • ha2 :盤内側吹出空気のエンタルピー(J/kg)
  • V'n :風量測定位置での空気比体積(m3/kg)
  • Wn :風量測定位置での空気絶対湿度(kg/kg)
「簡易式室内側空気エンタルピー試験方法」

簡易式室内側空気エンタルピー試験方法は、JIS B8615-1の室内側空気エンタルピー試験を簡易的に行うもので、得られた能力値は補正する必要がある。代表的な測定装置を下図に示す。

熱対策機器 屋内盤用クーラー「クールキャビ」簡易式室内側空気エンタルピー試験方法

  1. 乾球温度35℃、湿球温度24℃の試験室内に能力測定するクーラを設置し、定格電源で運転する。
  2. 盤内側吸込口と吹出口に乾球温度計と湿球温度計を取付け温度測定する。
  3. 測定した乾球温度と湿球温度をもとに、各エンタルピーを求める。
  4. 盤内側吹出口に風量測定用ダクトを設置し、16点以上で風速を測定する。
  5. 測定した風速の平均と風量測定用ダクトの開口面積を乗じて風量を算出する。

※ 16点以上で測定した風速の平均値と風量測定用ダクトの開口面積を乗じて室内側空気エンタルピー試験方法で推奨する風量測定装置(前頁参照)による測定置と比較して多く計測される傾向があるため、補正が必要となる。

冷却能力の算出方法

  • Q = qmi(ha1 - ha2)/ V'n(1 + Wn)×風量補正値
  • Q  :盤用クーラの冷却能力(W)
  • qmi :測定位置での風量(m3/s)
  • ha1 :盤内側吸込空気のエンタルピー(J/kg)
  • ha2 :盤内側吹出空気のエンタルピー(J/kg)
  • V'n :風量測定位置での空気比体積(m3/kg)
  • Wn :風量測定位置での空気絶対湿度(kg/kg)
  • 風量補正値:盤用熱関連機器工業会では、風量補正値に0.75±0.05を採用した。

言葉の意味

  • 乾球温度 :一般的に測定される空気の温度
  • 湿球温度 :温度測定部を湿らせた状態で測定した温度で、相対湿度を求めるために乾球温度と共に測定される。
  • エンタルピー :物質が現在ある状態での全熱量(エネルギー)。空気1kg あたり何J のエネルギーがあるかを表す。
  • 空気比体積 :単位質量あたりの体積。空気1kg が何m3 かを表す。
  • 空気絶対湿度 :単位質量あたりに含まれる水蒸気の量。空気1kg あたりに何kg 水蒸気が含まれているかを表す。

盤用クーラー能力評価コンプレッサ式 屋内盤用クーラー 冷凍サイクルフロンについて

コンプレッサ式 屋内盤用クーラー(クールキャビ)冷凍サイクル

熱対策機器 屋内盤用クーラー「クールキャビ」冷凍サイクル図

  1. コンプレッサによって圧縮された冷媒は高温高圧の気体の状態でコンデンサに送られます。
  2. 冷媒はコンデンサでコンデンサファンの風によって冷却されて凝縮し、高温高圧の液体の状態でストレーナに送られます。
  3. ストレーナでは冷媒中の汚れや異物が取り除かれます。
  4. 高温高圧の液体冷媒は、狭いキャピラリチューブ内を通過して広い配管に噴射されることによって生じる絞り作用を利用して急激に膨張し、低温低圧の液体となってエバポレータに送られます。
  5. エバポレータ内の冷媒は、エバポレータファンによって送られる盤内空気の熱を奪って蒸発するため、結果エバポレータが低温に保たれます。そこにエバポレータファンの風を通過させることにより、盤内に冷風が供給されます。
  6. 盤内の空気中の水分は冷たくなっているエバポレータ表面で凝縮され水滴となり、盤外へ放出されます。これにより除湿が行われます。
  7. エバポレータを出た低温低圧の冷媒はコンプレッサに戻り再び凝縮されます。

盤用クーラー能力評価コンプレッサ式 屋内盤用クーラー 冷凍サイクルフロンについて

フロンについて

1. フロンの種類

フロンは正式名称を「フルオロカーボン」といい、炭素とフッ素を含んだ化合物の総称です。分子の構造上、次の3種類に大別されます。

  1. CFC(ChloroFluoroCarbon:クロロフルオロカーボン)
    塩素、フッ素、炭素からなるフロン。 成層圏で紫外線により分解され、発生した塩素がオゾン層を破壊するため「特定フロン」として1995年末に全廃されました。 (R11、R12、R113、R114、R115の5種類)
  2. HCFC(HydrogeneratedChloroFluoroCarbon:ハイドロクロロフルオロカーボン)
    水素、塩素、フッ素、炭素からなるフロン。 対流圏で分解し成層圏にまで達しにくく、CFCに較べオゾン層破壊の危険は低いとされていますが、「指定フロン」として2020年原則 全廃が取り決められました。(R123、R22など)
  3. HFC(HydrogeneratedFluoroCarbon:ハイドロフルオロカーボン)
    水素、フッ素、炭素からなり塩素を含まないフロン。 塩素を含んでいないため、オゾン層は破壊しませんが、温室効果ガスとして地球温暖化に影響しています。(R134a、R152a、R407cなど)

2. オゾン層破壊と地球温暖化

無味無臭で燃えず、科学的に安定しているフロンは、理想的な冷媒、噴射剤、発泡剤、洗浄剤などとしてさまざまな商品に使用されてきましたが、地球環境に及ぼす大きな影響が指摘されています。

オゾン層の破壊

大気中に放出されたフロンは、成層圏(高度15km〜30km)で太陽からの強い紫外線を受けて分解され、塩素と反応して成層圏のオゾン層を破壊します。オゾン層の破壊は、有害紫外線(UV-B)の地上への到達量を増加させ、皮膚がんや白内障などの発生の増加や免疫機能の低下を招くと懸念されています。また湖沼や森林の破壊、海洋プランクトンの減少など生態系への影響も予測されています。

地球温暖化

大気中には熱(赤外線)を吸収する「温室効果ガス」と呼ばれる気体があり、地表付近の気温は全地球平均で15℃前後に保たれ、生物が住みやすい環境を作り出しています。しかし18世紀に始まった産業革命以降、化石燃料の使用量の増大に伴い、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの大気中の濃度が増加を続け、地表から放熱される熱を吸収、蓄熱して地球の気温を上昇させています。これが「地球温暖化」と呼ばれている現象です。気温の上昇は、北極や南極などの氷が溶けることによる海面の上昇や、気候の変化、農産物の収穫への影響による世界的な食糧不足などを招く恐れがあります。地球温暖化に一番強い影響を与えている温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)ですが、フロンなどの人工の化学物質は二酸化炭素より温室効果が高く、わずかな量でも影響力が高いといわれています。

  • 弊社は下記冷媒を使用しています。(IPCC 第4次レポート 2007)
  R134a R407c
オゾン破壊係数
0
0
地球温暖化係数
1430
1770

3. フロン排出抑制法(改正フロン法)について

業務用のエアコンや冷凍冷蔵庫に冷媒として使用されているフロン類は、オゾン層の保護や地球温暖化防止のため、大気中への排出を抑制することが重要です。今般、フロン類対策の取組みが包括的に見直されることになり、フロン類の回収や破壊について定められたフロン回収・破壊法が改正され「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(略称「フロン排出抑制法」)として平成27年4月より全面施行されました。

これまでの法律では、第一種特定製品の廃棄時におけるフロン類の回収・破壊のみが対象でしたが、法改正により管理対象がフロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたった為、製品使用者にも新たな義務が追加されました。

所有者(ユーザー)に課せられる義務

第一種特定製品であるコンプレッサ式盤用クーラ【圧縮機定格出力 7.5kW未満】をご使用のユーザー様は、これまでの製品廃棄時におけるフロンガスの適正な回収・破壊義務だけではなく、使用時におけるフロンガスの漏えい防止などの管理義務が課せられます。

これにより以下の項目を実施する必要があります。

1. 製品の適切な場所への設置、使用環境の維持保全

第一種特定製品の管理者は、第一種特定製品の損傷等の防止のため、適切な場所への設置及び使用環境の維持保全を図る必要があります。

2. 製品の定期的な全数点検

第一種特定製品の管理者は、全ての第一種特定製品について、定期的な点検を実施する必要があります。

3. フロン類の漏えい時における適切な措置

第一種特定製品の管理者は、フロン類の漏えいまたは故障を確認した場合、速やかに当該箇所の点検と修理を行う必要があります。これらを実施するまでは、例外の場合を除き、当該製品へのフロン類の充填を行ってはいけません。

4. 製品の整備履歴の記録・保存

第一種特定製品の管理者は、管理する第一種特定製品ごとに、その点検・整備内容を記録し、当該製品が廃棄されるまで保存する必要があります。

5. 漏えい量の報告(1000トン-CO2/年間 以上の場合)

第一種特定製品の管理者は、管理する第一種特定製品の使用に際して排出されるフロン類の量を算定し、1000トン-CO2/年間以上の場合、事業所管大臣へ報告する必要があります。

6. 製品整備時におけるフロン類の充填及び回収の委託

第一種特定製品の整備者は、当該製品に冷媒としてフロン類を充填、もしくは回収する必要がある場合は、「第一種フロン類充填回収業者」に委託する必要があります。

※コンプレッサ式盤用クーラ【圧縮機定格出力 7.5kW未満】の点検については、簡易定期点検が必要となり、四半期に一度以上、盤内温度、異音、外観の損傷、腐食などの確認、フロン類の漏えい徴候有無などの確認が必要となります。(点検実施者の具体的な制限はありません。)

法改正に関する注意事項
  1. この法律により現在、販売・使用されている製品に充填されている代替フロン類 HFC(R-134a、R407C、R410Aなど)が使用出来なくなるものではありません。
  2. 国際条約に基づき 2020年以降、我が国においてHCFC(R-22など)が全廃となりますがHCFC製品の使用の中止を求めるものではありません。
  3. 法改正において、ユーザー様に所有する製品の適正な管理を求めていますが、製品の買い替え・冷媒の入れ替えなどを強制するものではありません。
所有者(ユーザー)の継続実施内容
第一種特定製品であるコンプレッサ式盤用クーラ廃棄時は、従来と同様の処理を行ってください。
(TECTA HP掲載の参考資料『コンプレッサ式盤用クーラの廃棄方法に ついて』参照)
罰則

フロン排出抑制法の義務に違反した場合は、罰則の対象となりますのでご注意願います。

「フロン排出抑制法」に関する最新情報は、環境省のホームページをご覧ください。

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